爪の変形・変色の原因
爪の変形・変色には色々な原因があります。
よく 爪の変形・変色=爪みずむし と思われがちですが、あくまで原因のうちの一つと思って下さい。
爪白癬(爪みずむし)
初期は線状の白濁や黄濁から始まり、次第に角質が肥厚します。早期に治療すれば治ります。(水虫参照)
爪甲鉤彎症
足の親指(第1趾)の爪が厚くなり、濁り、表面がでこぼこし、前方に鉤の様に彎曲している状態です。主な原因は、外傷で爪が剥がれたり、合わない靴をずっと履いていたり、手術などで爪を全抜去されたり、激しい運動などです。
よく爪みずむしの治療を受けているケースを見かけますが、全く効果がありません。治療は、有効な薬はなく、約1年ほど、地道にテーピングをしながら、爪を削っていく必要があります。
爪が黒くなる
爪の下で内出血したためになる爪甲下血腫と爪のほくろがあります。まれに悪性黒色腫(メラノーマ)が発生します。心配な時はご相談ください。
爪が薄い・割れる
つめはよくカルシウムで出来ていると思われがちですが、つめは骨ではなく、皮膚の角質の一部で主にケラチンで構成されています。爪の栄養不足で、薄くなったり、割れたりすることがありますので、鉄や亜鉛を補充することで改善することがあります。
巻き爪
足の指を使って歩かなくなると爪は徐々に巻いてきます。(巻き爪参照)老化現象の1つとして起こることが多いです。
尋常性乾癬
点状の陥凹や白濁から始まり、進行すると角質増殖、爪肥厚が見られます。
掌蹠膿疱症
爪の肥厚や変形が見られることがあります。
手湿疹
特に爪囲に湿疹、炎症があると爪がガタガタとした感じに変形してきます。
爪扁平苔癬
爪の萎縮性変化をきたす。薬剤や金属アレルギーが原因のことがあります。
Twenty nail dystrophy
全部の爪の萎縮性変化が見られます。小児期発症の場合は自然治癒が見込めます。成人発症の場合は、原因を調べていく必要があります。
鉄欠乏性貧血
スプーンネイル(匙状爪)と呼ばれる特徴的な変化を起こします。
肺癌
肺癌が進行するとばち指という独特の指と爪の変形をきたします。
その他
甲状腺疾患や化学療法(抗がん剤治療)、腎不全、肝硬変などでも爪の変形をきたすことがあります。
巻き爪と陥入爪
巻き爪と陥入爪は似ているようで少し違います。
- 高齢者
- 歩き方
- 足の変形(外反母趾など)
- 靴(パンプス・ヒール)
- 若者
- 強い運動負荷
- 深爪
- 体重
巻き爪とは
巻き爪とは、足の指にある爪の両端の先端部が、大きく内側に弯曲した状態を言います。負担のかかりやすい親指の爪が巻き爪になることが多いのですが、その他の指の爪もなることがあります。
爪は、もともと緩やかに弯曲しています。足の指からの力に対するカウンターとして爪がありますが、足趾の変形などで、きちんと足の指を使って歩けていなかったりすると、爪はどんどん弯曲してしまいます。
これが爪が巻いてくる原因になります。足の変形が出てくる中高年から高齢者に多くなります。
正常な爪の状態と巻き爪になりやすい状態
<正常な状態>
正常な状態でも爪には内側に巻く力が加わっている。歩くことで地面からの圧力が爪を広げる力となり、爪の形を保っております。
<巻き爪になりやすい状態>
- 巻く力が強い
窮屈な靴や合わない靴など
- 広げる力が弱い
浮き指や寝たきりの状態など
- 不均衡
外反母趾など
陥入爪とは
陥入爪は、両端のみ巻き込んでおり、深爪の習慣があるかたに多いです。
進行すると、肉の部分に曲がった爪がどんどん食い込み、次第に激しい痛みを引き起こすようになります。さらに、曲がった爪に巻き込まれた皮膚が化膿してしまい、歩くことが困難になる場合さえあるのです。
また、痛みから足をかばおうと、いつもとは違った歩き方をしてしまうために、足首や膝、腰にも負担がかかり、捻挫や膝痛、腰痛の原因になるケースもあります。深爪や運動をする若者に多い傾向があります。
当院でできる主な巻き爪治療
巻き爪の治療方法
①矯正具を装着する方法
②ワイヤーを留置する方法
③プレートを接着する方法
長所 | 短所 | |
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巻き爪マイスター |
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VHO(3TO) |
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マチワイヤー |
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ポドフィックス(3RO) |
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1:保険診療
- コットン法:爪と足趾の間に綿花を挿入します。
- テーピング法:足趾にテーピングして爪による痛みを緩和します。
- 部分抜爪(無麻酔・伝達麻酔):痛みの緩和を目的に一部の爪を除去します。
- 指導:歩行指導やストレッチ指導などを行います。ぶっちゃけ無料です。
2:自費診療
- マチワイヤー:爪先に小さい孔を開け形状記憶の超弾性ワイヤーで矯正します。
- ポドフィックス:爪の短い場合などに、爪の上にプレートを貼付し矯正します。
- 巻き爪マイスター:爪の長さが十分ある場合に、爪先にフック付コイルを取り付け矯正します。
当院でできる主な陥入爪治療
1:保険診療
- コットン法:爪と足趾の間に綿花を挿入します。
- テーピング法:足趾にテーピングして爪による痛みを緩和します。
- 液体窒素冷凍凝固:血管拡張性肉芽種が合併している際に行います。
- ステロイドの外用:血管拡張性肉芽種が合併している際に行います。
- 抗生剤の内服:細菌感染を併発している際に投薬します。
- 部分抜爪(無麻酔・伝達麻酔):痛みの緩和を目的に一部の爪を除去します。
- 陥入爪手術(フェノール法):積極的には行わず、最終手段として行います。